線香

もうすぐお盆。 日本人の民族大移動といわれる、帰省icon17シーズンでもありますね。

お墓参りに行く方も多いと思います。 お墓参りに欠かせないものといえば、お花とお線香。

日本では、お墓や仏壇にお供えとして、線香を燻らせることは欠かせません。

いつからこういう習慣が根付いたのか? 一般に用いられるようになったのは江戸時代以降 とされています。

日本に伝来した時期ははっきりしていませんが、聖徳太子の時代、推古天皇3(595)年 淡路島に香木「沈香」が漂着したと日本書紀に書かれています。

その後、各種の香木が中国から入ってきましたが、聖武天皇の時代、東大寺正倉院に納められた有名な香木「蘭奢待(らんじゃたい)」もそのひとつです。

そもそも、お線香を燻らせることは「仏様のお食事」や「自分の身を清める」という意味がありますが、「香りと煙を通じて仏様とお話をする」face02という大切な意味合いがあるのだそう。

尚、お供えする線香の本数は、一般的には1~2本ですが、各宗派で異なります。

浄土宗、臨済宗、曹洞宗、日蓮宗は1本で、天台宗と真言宗は3本です。 香炉に立てるときは、まとめないで1本ずつたてます。

真宗大谷派と浄土真宗本願寺派は線香を立てず、線香を適当な長さに折って火をつけ、香炉に横に寝かせます。

ただ、正式には上記の通りですが、一般家庭ではあまり厳密に区別されていません。

現在 線香の生産は、全国生産の約70%のシェアface08を淡路島の一宮地区で占めています。 また 淡路島は国生みの神話が残っていることでも有名です。

伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冊尊(いざなみのみこと)は天津神より「天の沼矛(ぬほこ)」を授かり、

「この漂っている国土をあるべき姿に整え、固めなさい」という命を受け、「おのころ島」(現在の淡路島)という一つの島ができたと言われています。


線香は、香木や香料に松脂(まつやに)などの糊や染料を加えて練ったものです。
主な原料には、次のようなものがあります。

[白檀(びゃくだん)]
インド、東南アジアなどで産出する常緑樹で、特にインド南部産のものが良質で老山(ろうざん)白檀と呼ばれています。

木材そのものが香るため、仏像、数珠、扇子などにも使われます。 「栴檀(せんだん)は双葉より芳し」の栴檀は、この白檀のことです。

[沈香(じんこう)]
東南アジアに産出するジンチョウゲ科の樹木内に、長い年月を経て樹脂が蓄積したものです。 水に沈むので沈香といわれます。

[伽羅(きゃら)]
沈香の最上の種類。 ベトナムの限られたところから産出され、古くから品位の高い最上の香りと珍重されています。

そのほかの原料としては、椨(たぶ)、丁子(ちょうじ)、桂皮(けいひ)、大茴香(だいういきょう)などがあります。


お盆は線香を燻らせ、香りと煙を通じて仏様とゆっくりお話ををしましょう。face02


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Posted by 燐寸. at 2010年08月04日01:52

この記事のコメント

沈香(じんこう)が好みですね。仏事用では
なくって、お部屋用のものなども多いので
京都などに出かけると、かさばらないし
お香を購入したりします
Posted by 夢穂夢穂 at 2010年08月04日 09:57
>夢穂さん
最近はアロマの普及もあり、お香を焚く人も多くなりましたね。

種類はかなりありますので、日中の休憩時や就寝前など、用途別に使い分けてください。
Posted by 燐寸燐寸. at 2010年08月04日 22:38

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